TVゲームを用いても目と姿勢の訓練?
発達特性(ASD、ADHD、LDなど)をお持ちのお子さん達に感覚統合と呼ばれる訓練を実施します。
先日の勉強会の項目でも紹介した視機能や姿勢(体幹低緊張)、目と手の協調性に課題をもつお子さんは沢山います。
正直に申し上げると私はTVゲームは百害あって一利なし(全然良いことが無い)と思ってました。
しかし、偶然の産物ですが……姪っ子ちゃんがゲームをしている姿勢を見て少し閃いたのです。
あれ?メチャクチャ姿勢良くないか?
その時のゲームが……
任天堂さんから発売されているwiiuのゲームソフトスプラトゥーンでした。
(画像は先日UFOキャッチャーで獲得したグッズです。作業療法士の動作分析、姿勢分析能力にかかればUFOキャッチャーなど楽勝……って程でもないか(笑))
進化するゲームの実態
このゲームはゲームパッドと呼ばれる機材を(コントローラー付きタブレット見たいな奴)しっかりと持ち、ジャイロ機能(要するにコントローラーを傾けると画面もその方に傾く)を用いてキャラクターを操作して3Dマップのステージ内をインクで塗りまくるゲームです。
基本は4人VS4人でネット環境を用いて対戦するのですが……塗るだけでなく、相手チームのキャラクターを攻撃して倒す(これをキルと呼びます)事で相手を追い返しながらマップを自分達のインク色に染め上げます。相手にキルされるとやられて(これをデスと呼びます)数秒のペナルティ後にスタート地点に復活します。
目と手の協調性を育てるエイム
相手をキルする為には、動き回りながらパッドを傾けて相手を捉え続け相手キャラクターを攻撃します。
この時、相手キャラクターを狙う能力をエイムと表現しますが、このエイムを行うには
1.画面で見た情報を脳で処理して
2.画面の方向を制御する為にゲームパッドを傾ける
これは、目で見た情報を的確に手で表現する目と手の協調性が必要になります。
悪い姿勢では出来ない
寝っ転がってゲームなどダラダラやると素早い対応などが難しく、上下左右に素早く対応するにはTVの高さの問題を省くと良い姿勢でやる必要があります。
逆に言うとTVと本人の位置関係は適切に調整する必要があると言えますが(;´Д`)
現に姪っ子ちゃんは画面に近い……
大まかに見る、細かく見る
脳内のモノの認識の仕方には大まかに見る力と細かく見る力があります。
例えば文章を読む際に
流暢に読めるけどたまに読み間違えてしまうお子さんや
読み間違えは少ないけどゆっくりしか読めないなど
特徴が出ることがあると思いますが、モノの捉え方に有意差があるのかも知れませんね。
ゲームでは相手と複数対複数なので1人を確実に倒したい時は1点集中出来る人が強いのですが、攻撃している相手だけでなく画面全体を見渡しながらゲームするので、大まかに見るのと細かく集中するのを適時切り替えて遊ぶ何ともすごいゲームです。
チャージャーと呼ばれるブキ
好きなタイミングでバシバシ塗りまくれるブキと違い
チャージして長距離を点で狙撃するスナイパー的ブキがあります。
先にも説明したとおり細かい点をみる力が要求されます。
しかし、このゲームで勝つには細かい点を射抜く力だけではないのです。
細かい点を射抜いた後に周りが見えていなくて相手を接近させてしまいデスしてしまうと意味がありません。
このブキは接近されたら何もできない(事もないですが…)非常に不利なので接近させないように周りをみる必要があります。
画面上の相手、画面に映る不審な影、ゲームパッドに映る塗り状況などを把握して
どのあたりまで相手が迫ってきているかを考え、動き周るのです。
この能力は授業中に黒板を見つつ、しゃべる先生を見つつ、机の上のノートや教科書をみると言う
視点を動かす能力とほぼ同じです。
周りを見つつ瞬時に集中して遠方の敵を点で射抜くチャージャーと言うブキを使いこなすお子さんは
授業を受ける才能をお持ちです。
大変喜ばしい事です。(過大表現ですね)
注意点
本記事はゲームの訓練効果を保障するものではなく、場合によっては活用できる。
もしくはこのようなゲームが得意なお子さんは視機能的に優れている、もしくは代償方法が確立している可能性が高く。学習や集中力に難を要する場合は他の面を補う事で改善が見込めるかも知れない程度のお話です。
また、ゲームを長時間やったから症状等が改善する事は極めて稀なケースであり、強すぎる目からの刺激によって身体状況を阻害する可能性が無いとも言いきれません。
お子さんに提供する場合は保護者の方の指導のもと、ゲーム機及びゲームソフトの説明を良く読んで適切な時間を守ってプレーする事をお勧めします。
尚、当記事はゲームの内容について賛否を問うものではありません。
本記事で紹介したスプラトゥーンは任天堂さんのゲームです。
公式HP:https://www.nintendo.co.jp/wiiu/agmj/
当ブログと任天堂さんには何ら関係はございません。
申し立てがあった際には即座に掲載を中止致します。