【療育分野の新人さん向け】医療・福祉従事者のお金の勉強【資産・運営論】

こんにちは、はびりSPOTのやっしーです。
私は医療現場で作業療法士として15年働きながら、時には保育園、時にはデイサービス事業所、時には訪問看護ステーションと渡り歩き数々の職場を見てきました。

 いつも目の当たりにするは、物品の購入から学習までやる気あるスタッフが自らの資産を投げうってサービスの質を維持しようとする姿でした。仕事にフル回転して、休みを削って勉強会に参加して、挙句の果てに少ない稼ぎを社会に還元している現状に疑問を持っているのは今も変わりません。

 ストレスの大きい職場は次々とスタッフさんがやめてしまい、サービスの質の安定感がなくなっていきます。残されたスタッフは新たなストレスを抱え、信頼たる担当者がいなくなってしまったお子さんと親御さんはもっと大きな不安を抱える状態となってしまいます。

 その経験から医療・社会福祉の従事者の方が幸せにならなくては十分なサービスが提供できないと考える様になりました。

 幸せには様々な要素がありますが、やはり「金銭的ゆとり」も重要なファクターではないでしょうか?

 福祉に関わる者にご法度な発想と言うのは最早過去の産物です。資産形成についてもしっかりと指導して行きたいと考えてブログで公開して行きます。
 従事者のゆとりは、施設のゆとり、施設のゆとりは利用者へのサービスとして還元されると考えています。

今回の学習のポイント

 今回の資産形成において、「時間」と「お金」と「勉強の仕方」についてお話をしていきます。
 資産形成が何故重要か?それは、福祉運営・経営を学んで行く上でまずは自分の経営をできる様にならなくて行けないと考えるからです。

 全てのスタッフが最終的に福祉の起業家として独自の福祉サービスを考えて活動して社会に還元する事を目標としています。当然ですが経営や運営、資産形成もその勉強に含まれます。

勉強はしている方?

 そこで皆様に質問なのですが…療育・医療・保育・教育はどれも日々の勉強が大切な分野ですよね。その割に給料が低いと思いませんか?

 答えはYESです。

 その詳細について医療福祉教育の分野の方々がどのくらいの水準の勉強をしていて、それに見合わない状況にあるのかを整理してからお伝えして行きたいと思います。

 所で皆さんは日本の社会人が平均でどれだけの時間勉強をしているのかご存知ですか?

勉強に疲れた。

平成28年の総務省の社会生活基本調査によると、日本人就業者の学習、自己啓発のための時間は1日6分程度と言うデータが公表されています。

情報参照元:平成28年社会生活基本調査

 平均6分って、短いYouTubeの動画一本分程度です。何ならこの記事を読んで頂いたら達成できるレベルです。

 社会全体でみると6割程度が全く勉強をしていないと言う状況だそうです。つまり一日30分も勉強して入れば国民アベレージは突破していて、とても勤勉と言う状況になります。

 私の体験談からすれば、医療福祉業界の方は一日30分の学習なんて余裕で超えると思います。つまり勉強の時間だけで言えば、めっちゃ勉強している人たちなのです。

1日30分の医療や福祉の勉強をすると年間で約180時間になります。時給1000円なら18万円と1ヶ月程度の手取りをサービス残業しております。

そしてこれも嫌な現実なのですが、分野の勉強だけで何時間も取られる為に、社会やお金などその他のスキルについて勉強する時間を与えない一種の洗脳状態となっているのです。

平均年収の調査結果

 ではめっちゃ勉強している人たちはどれくらいの年収を得ているのでしょうか?地域差もあるとは思いますが、厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査を参考にまとめてみました。

参考値 平均年収389万円

平均年収
教師       :456万円
看護師      :416万円
理学療法士等   :414万円
保育士・幼稚園教諭:352万円

参考平成30年賃金構造基本統計調査/厚生労働省 最終閲覧R2.6.26(年収と平均は筆者による算出)

 保育士さんのデータを見てお分かり頂けると思いますが、無資格のお仕事も加えた上での平均を算出した結果…全体の平均年収よりも下と言う結果になりました。


 逆に看護師さん達はこれに恐ろしいほどの残業や夜勤手当などで、もう少しもらえると思いますが…

 勉強会も、講習も多数あり、残業も非常に多い保育士さんとリハビリ職人さん…残業ありきの初期設定なのでしょうか?


※ちなみにリハビリで働いた中で月に20時間ほど残業をしようが残業代が付いた試しがありません。

 朝礼や持ち帰りの仕事は業務外とされている事も多いこの職種。仕事関連の拘束時間が長く、給料が低いと言うのは本当に人類の宝物である子どもたちをお預かりする職種の給料として妥当なのでしょうか?そこのところを強く世の中に問いかけたい。


 しかし、残念な事に料金をサービス提供者ではなく「ルールが決めている」為、収入はこの数値が恐らく限界なのです。
 加えて、要求される勉強は年々増え続けます。業務外にいくらでも時間を費やせるのが、人と関わる職場の特徴です。
(いや…厳密にはどんな環境でも無限に勉強できるのですが…)

余談 絶対に避けるべき!公務員に準ずる。と言う文言

 ちょっと蛇足なので、興味無い方は次の見出しに飛んで下さい。

 仕事1本でやって行こうと考えている方を否定するつもりはありませんが…

 その職場の昇給が公務員に準ずるなんて、あたかも安定しそうな言葉が書いてあったら…

その職場1本でやって行くのはアウトです。

 公務員さんは、退職後などの手当が手厚くて、働いている時は時間ピッタリで早く帰れる事がメリットの仕事です。(やや過剰に書いていますが…)つまり、昇給が公務員に準じちゃった場合…

 帰るのが遅くて、退職後も手厚くてなくて、休日の勉強やその他の経費を殆ど自分で払わなくてはならない、給料が上がらない職種になる事が確定するのです。

お金のたまらない仕事

 つまり選んだ段階から収入が増えない事が約束をされた職場・職域なのです。

だからこそお金の勉強もしよう

 情勢はお分かり頂けたでしょうか?

 医療や福祉の領域はとてもやり甲斐があって、誰にでも誇れる立派な仕事です。しかし、忙しいという字は心を亡くすと書くそうです。(若干違う気もしますが…某YouTuberさんからの引用)皆さんが心のゆとりを無くして、家族などのトラブルを抱えては良きサービスを提供する人が不幸になる構図が見えます。

トラブルが起こる

 例えばの話ですが…今より年間100万円ほど余分に使えたら、勉強への支出も耐えられるでしょう。多少の残業も心にゆとりが生じるでしょう。(注 あったらあっただけ欲しくなるのが人間ですが…)

 また、副収入がある事で、今すぐその職場を何らかの理由で離れる時が来ても精神的なゆとりがあるでしょう。

 時間を恐ろしく取られる職種だからこそ、お金の勉強も頑張って欲しいのです。

お金の勉強の仕方

 社会のシステムの為に犠牲になる志高き人達を私達は見たくありません。サービス提供からの限界がある以上、それ以外の頑張り方を覚えておいて頂いて来るべき時に備えて欲しいと思います。

キーワードは…

  • 貯金
  • 起業
  • 投資
  • 節税

しかし、いきなり投資や起業をするのは無理です。若い時は体が資本。身体を資本にして、将来扱える資本を増やす為に貯金して行きましょう。

 その課程で得られる資本が2つはある筈です。

 ひとつは職場や職域で得られる経験です。経験は後に優れた資本になるでしょう。

 もう1つは現金です。嫌らしい話ですが、お金と言うのは使うだけでなく、働いてくれるのです。

 その辺の知識ついて筆者は疎いのですが、YouTubeなどで無料で学ぶ事ができます。変な商材に手を出すのではなく、まずは無料で得られる範囲で勉強しましょう。

 医療や福祉の知識もそうですが、金融に関する知識もいきなり適切な方法を見分ける力は恐らくありません。まずは無料のものから手をつけて学びましょう。

筆者が実践している方法

 まずは資産形成術を身につけなくてはなりませんので筆者が幾つか読んだ本の中で実践して分かりやすかった方法をご紹介します。

貯金癖

 通帳3つ作戦が良いと思います。

 1.普段使い口座、月給の3ヶ月程度のお金を入れておく通帳です。使いやすいネットバンクなどがオススメです。
 2.は緊急事態用口座だいたい100万円くらい貯めておく通帳です。なんかあった時の非常用ですので、大手銀行が良いかと思います。ちょっと引き出しにくい程度の通帳で良いと思います。
 3.最期は運用用口座、これは増やす為の口座です。ここまで溜まったお金の余剰分を入れておき、運用や自己投資(勉強)に回します。

具体的なオススメ方法 細かい方法は後日ニーズがあれば…

 理学療法士の会員は楽天カードが必須になる事もあり筆者家族は楽天でコンボを組んでおります。
 楽天グループのサービスで①普段使いのネットバンクと②資産運用用の口座が作れます。そこに③楽天カードと④楽天ペイのコンボ合わせるとキャッシュレス社会にもあ程度対応しつつポイントをためながら生活できています。
 あとは普段の給料振り込みに施設等から指定される大手銀行等の口座を合わせれば口座3つ作戦は成立します。

え?勉強会とか率先して行った方が良いのでは?

 いいえ、違います。ここまでお金を貯めるのを1年から2年を想定しています。1年目は所得税を引かれませんので貯める最大のチャンスです。まず最初の1年は業界の最低限度の研修等にとどめます。

 勉強は職場で先輩に教わるべきです。先輩が読んでる本を借りて読み、施設のルールをしっかりと覚える。外部の情報はネットで十分です。本気で調べれば出てきます。なんなら論文なんて結構な量が無料で公開されています。

ついでに起業について

 勉強会も基本は怪しい商材と一緒です。自分で良い勉強会を見極められる様にネットで情報を集めて、無駄の無い自己投資をしましょう。 

 10万円以上のスキルは基本詐欺(と思ってみた方が良い)です。仮に貴方が10万円の価値があるスキルを身につける事で職場での給料が上がるなら取るべきです。ただし、仕入れが10万円ならば年2万は上がらないと金銭的な得はありません。5年も経てば、そのスキルは古くなります。大抵の場合情報のアップデートの為に学会等に所属させられて、年会費1万円くらい取られます。

 逆に考えると儲けられない職種が儲ける為の起業の道筋が見えましたね。(なんかすごく悪い言い方ですが…分かりやすく表現していますのでご容赦を)

 是非この記事を見た方はそちら側に回れる様に努力して下さい。ただし、既に広がっている勉強会は上層部が1杯になっているので、今後オンラインが普及したら講師なんて殆ど要らなくなります。ポストは空いてません。

 狙い目は、海外の最新の技術に着眼して日本に入ってくるように仕向けるか、入って来た所に直ぐに乗っかる事です。そのために海外の論文やニュースを読む事が大切です。
 そして上司に勉強した内容を伝えて導入、実践報告を学会で行う。その段階で第一人者です。

 そこまでビジョンが見えたら、学会で発表されている抄録等を次々読んで行きましょう。行く必要はありません。時間と旅費が余分な出費です。
 学会に行くなら質問しに行きましょう。質疑応答に価値があるので、聞くだけなら費用に対する効果が今ひとつです。

 なんなら懇親会やZOOMなどでの参加にした方が有意義です。業界の方と顔を合わせていた方が濃密で価値があります。

 脱線しすぎました…話を戻して…勉強会は開祖メンバーに入らないとカモられる側にしかなりません。特に次々ランクが増える会(ビギナー、アドバンス、マスターから突然スーパーマスターが増設されるなど)は受け入れ先が無くなった会が下々から更にお金をかすめ取る為のシステムです。医療業界の学会すらこんな状態です。

 とにかく勉強会の大半は言う程意味がありません。しっかりと現場に向き合って課題をノートに残して、調べて、職場で相談した方が余程有意義です。その様な体制が全国の施設で整うと良いですね。

 勤務時間の全てが業務時間になっている職場では有り得ませんが…基本残業勉強です。

 しかし、残業勉強が価値のある職場もあります。だからしっかりと見極めて自分にどんなプラスがあるかを考えて行動しましょう。

投資について

 投資に関しては筆者はど素人ですのでYouTubeやブログ等で学んでください。特にYouTubeはお金に直結するので皆さんが同じ様な情報を今は無料で垂れ流しています。無料で良い知識が得られる時代になりましたね。ただし情報の日時には注意してください。古い情報はアクセス数が多くても一回考えましょう。

 簡単に概要をお伝えすると3%運用で年100万円稼ぎたいので、3000万円貯め、3%運用できたら年90万円を得られます。年収全額突っ込んでも中々届きませんよね。だから若いうちから正しい知識を身につけて貯金を頑張って欲しいのです。

 100万円が1年で103万円になり…更に1年後に103万円が106万900円になり…5年間で115万9274円になります。その間に更に資本を上乗せして行ければ…もっと増えますし、年3万円の増収が得られる訳です。10万円のスキル身につけるより貴方の為になりますし、結果に10万円のスキルを身に付けに行くゆとりができます。

 ちなみに…1億円あれば、年300万円で経済的に自立出来そうですね。1億円って言うと平均的なサラリーマンの生涯年収の半分ですが…。

節税

 この辺も専門家ではないので、方向性だけをお伝えして各人学んで頂ければと思います。
 簡単なポイントは経費、iDeCo、NISA、年末調整です。こちらは将来に対する投資を節税しながら行うものになります。ネットに情報が溢れています。1番手っ取り早いのは年末調整の紙を全て読む所から始めましょう。全てを理解して、税金の事をかじるだけでも十分です。

 前述した運用を実施するには、NISAは必ず抑えて欲しい内容になります。

 その後は、起業による経費作戦ですがこれは私もまだ実践していないので割愛したいと思います。

まとめ

 医療・福祉従事者を目指す方は、基本的に勤務時間以上の業務や勉強を要求されます。近年の法律上(働き方改革等…)は適切な行いではありませんが、それで日本の医療・福祉は維持されています。

 この業界を目指される方に…

 非常に魅力的な職域でありますので、ぜひ一緒に頑張って欲しいと思いつつ。頑張り続けられる様に若干の先輩の経験談と考えを公開させていただきました。

 本記事でお伝えしたいのは、やりがいとお金と勤務の満足度の全てを満たすものがないという事と、やらされているだけの仕事だけをやっていては自分がダメになってしまうと言う現実です。

 時代はどんどん変わって行きますので古い時代の成功者は、いつまでも古い事を言います。でもそれはあなたの将来を約束するものではありません。
 いつか、自分で仕事を立ち上げるつもりで若いうちから準備して行くことが大切です。終身雇用の時代は終わりました…と言うか医療や福祉は国の気分一つでガラッと情勢の変わるお仕事ですから色んな備えをして若いうちに色々経験して行きましょう。


 皆様の人生と勉強の参考になればと思います。

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