平成28年度発達障がい理解促進講演会

10年目の特別支援教育と発達障害への具体的関わり方

講師
大阪教育大学名誉教授
大阪医科大学LDセンター
竹田契一先生

発達障害の原因

育て?→No
しつけ?→No
環境?→No

大脳機能が関与していると考えられている。

ほかっておくと、法律さえも発達障害の原因をお母さんに責任を押し付ける傾向にあるが、決してそうではない

健やかに育つ支援が必要

育て方は発達障害の原因ではない

健やかに育つ支援が必要
・脳障害は治らない(完全治癒はない)
・発達障害は育ちの環境で出現するものではない
・育て方は発達障害の原因にはならない
・障害にならない、障害を軽減できる環境作り・関わり方が大切

発達障害を持っている可能性のある児

従来の特殊教育対象児童
1.6%から1.85%の間
通常学級にいる発達障害児
6.5%(実はもっと多い筈)
学習面の障害児
4.5%

全体すると10%が特別支援対象児と言える

学校で呼んでも反応しない児

指示を与えて反応しない時は、むやみやたらに名前を連呼してはイケナイ。
どこでツマづいて居るのかを分析する必要がある。

ex)声かけをして反応しない……その時の考察……

1.聞いてない
2.聞こえていない
3.誰やねん?どこやねん?(アスペ系?)
4.先生指示の優先順位が低い……
などなど……

法律が変わって、特別支援教育のスタッフだけでなく、すべての教員が支援をしなくてはならないと行けない法律となった。

10年目の特別支援教育

1.特別支援教育コーディネーターは機能しているのか
2.

障害と特性

障害と特性を区別すること自閉スペクトラム症はその子どもの特性(個性・特徴)であって
障害ではない
障害は、その子どもに関わる環境との相互作用で起こる。

拘りは全てが障害ではない。
イチロー選手。偉大な科学者達も素晴らしい芸術家もみんな凄いこだわりを持っている。
特にイチロー選手はルーティンも一定で、怪我も少ない。仮にこのこだわりをアスペルガーと呼ぶことは簡単だが……これはもはや特殊能力。
大事な事は特性がでて来ても治す事は出来ない。しかし、特性を持ったまま生きて活躍する事もできる。
特性は関わり方でよく出来る。

困った子ではなく困っている子

保育所・幼稚園・学校からの連絡で困った子・育てにくい子と思いやすい
漢字が覚えられない
わからないからやってしまう
うっかりやってしまう

子ども自身が困っているのです。

僕、怠けているの?

教育の原点

・特別支援教育は教育の原点である。
・教えたことだけ入る
・1を言って10を悟るはない。全て必要なことは手取り足取り具体的に教える
・塾の学習が中心の子はいつも先取りで授業は復習になっている

学校はストレスの源

・自分としては普通の行動がいつも注意を受ける
・自分の行動や感情をコントロールできなくなる。

障害者権利条約の批准と特別支援教育

障害者が社会の1員として尊厳をもって生活することを目的
障害者権利条約第2条
障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合においては必要とされるものであり、かつ均等を失した又は過度の負担を課さないものをいう。
障害者一人ひとりの必要を考えて、その状況に応じた変更や、調整などをお金や努力などの負担がかかり過ぎない範囲で行うことが、合理的配慮である。

国公立は義務。私立ほ努力義務

合理的配慮・環境整備

・他の子供たちと同じスタートラインに立つために、既にある環境や条件に対して、子どもの特性ひ合わせた変化をつけること

学校の好意で行うものではなく子どもの権利である。
2016年4月施行

合理的配慮とは

能力に下駄を履かせるのではなく、フェアな競争ができるように環境を整えること
個人の自己決定と社会参加を支えるもの

センター試験て別室受験を許可された事例。
中学、高校で支援を受けた実績(個別支援計画)証拠物件がある。

通常学級の生徒とフェアに戦う為の配慮は認められる
えこひいきを避けた配慮となる。
センターは代読は認めるが、英語の発音と漢文の読み上げは認めない。
そらそうだ、答えになってまうからね(笑)
これがフェアに戦う為の配慮

この特性に応じた配慮を合理的配慮。
どーもヨーロッパの要素が入ってくるとスポーツも合理的配慮に向かう。

LDとは

知的に障害はないが読み書きに困難を示す子ども

読み書きの障害に聴覚的理解が重要
視覚的な問題が強く聴覚的な理解が強い場合もある。
英国と日本のLDのの考え方が違う。
英国は知的障害が含まれる。
学習困難
学習障害
ディスレクシア

ディスクレシアは聞く答えるはできる。

聞く力の障害

人の話をしっかり聞くトレーニング
音韻認識の障害

聴覚情報処理障害とは

聴力は正常
聞き返しが多い
雑音下での聞き取りが悪い

カクテルパーティー交換

ノイズカット
たくさんの人の話し声でガヤガヤした場面でも、話を聞いたり、知人の話し声を聞き分けられる力
音の選択性に問題を持つ場合ら雑音でしかない。

見る力の障害

視機能の障害

視知覚の障害
ものが二重にみえる
図と地の障害
焦点が合わない
追視が出来ない
図形の認知が弱い
文字が汚い

文字を読む時に目をこする、直ぐに涙目になる子は要注意が必要。

復習より予習

なぜ学習が進まないか?

ひとの話をしっかりと聞くことができるか?
自分の気持ちを言葉で表現する事ができるか?
聴覚、視覚などの認知の偏りがあるか?
つまづきの背景に何があるのか?
虐待などの環境要因がないか、
知的な遅れがないか(IQ70未満)

先取り学習
個別指導の場で家庭で
・次の単元に出てくる言葉(熟語、漢字)の読み、意味を予習
・次に新しく習う領域を大人が読み聞かせ、登場人物や話の筋など、内容を理解しておく
・漢字の読みは学年に関わらず、先どりひて教える(書字は1・2年あとに再確認でもok)

ボトムアップ学習
発達支援の考え方
基礎からしっかり指導すふ
獲得できるまで国語、算数の基礎の勉強
ソーシャルスキルのトレーニング

トップダウン方式
今何ができるか、現実に即した指導プログラム
常に自立を目標に置いた考え方

ミラーニューロン

(;´Д`)……あくびがうつるなど仕事もミラーニューロンの仕事かも
相手の気持ちになってバイバイを返すので逆バイバイにならないのたが、自閉症等では逆バイバイとなるのもこれらの障害説がある。

ものまね細胞
共感細胞
そんな役割もしています。

まとめ

何よりも、大脳皮質の問題であり、二次的に関与はありますが、心の病とも違うのが発達障害。
誰かの責任ではなく、皆で支えていく事が重要であるとの事でした。

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